きょう、出社するとハガキが一枚届いていた。高田馬場の「ヒューマン・グロウス・センター」が閉鎖するという知らせだった。ここは確か、吉本武史先生の主催する事務所だった。スタッフで関わりのあったひとに聞くと、吉本先生は亡くなったようだと。調べてみると、先月お亡くなりになったようです。
私も以前、高田馬場駅から歩いて、このセンターで先生とお会いしたことを思い出しました。NLPの関係でお会いして、ご相談ごとや講座の打診、ご本の執筆などをお話しした覚えがある。ずいぶんと前だったので、当時、先生はご多忙で、執筆依頼をすでに何本かかかえていらっしゃったようにうかがった。
大変おだやかな先生でらっしゃって、センター内の個人カウンセリングの部屋を見せていただきましたが、クライアント用のリクライニング・チェアーが置いてあったのを覚えています。もうその当時から、先生ご自身はなさらないようになっていて、一番弟子とおぼしき方が実際にクライアントをみていました。ご本人の深いところから湧き出てくる根付いた優しさと、無数の対面セッションで鍛えられた職人的な技量とを両方同時に感じられる先生で、そのお人柄のすばらしさから初対面ですぐに大ファンになったのを覚えています。
先生は、バンドラーとグリンダーの「リフレーミング」の翻訳をなさったことでも知られていますが、催眠とNLPというともに"輸入品"のローカライズやセラピー技法に「無意識」を統合的に採り入れることに尽力されたことでも知られています。2004年の「無意識を活かす現代心理療法の実践と展開」が先生の最後の本になると思います。よい本です。
残念なことに、先生の講座を企画して広く皆さまに知らしめる前に、お亡くなりになってしまいました。というか、私が遅すぎたのでしょう。先生、申し訳ありませんでした。
確かそれほどのご高齢ではないと思いますが、心理、セラピー界の大きな損失と思います。
日本人のパーソナリティは、世界的にみると、いい悪いは別にして、ユニークなところがある。そこに催眠やNLPなどを輸入して持ってきたときに、それは独自な環境で応用されているわけで、ワークしやすいもの、ワークしにくいもの、概念が変わるものなどが必ず発生する。その研究はまだ始まったばかりです。

